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キャッシュ・コンバージョン・サイクルに着目して現金化を早める

最近注目されてきた指標に、キャッシュ・コンバージョン・サイクル(Cash Conversion Cycle)というものがあります。
これは、キャッシュ=現金が、在庫調達を行ってから、また現金になって戻ってくるまでの日数のことです。

キャッシュ・コンバージョン・サイクルの計算式は以下のように行います。
CCC = 在庫回転日数 + 売掛債権回転日数 - 仕入債務回転日数

現金となって戻ってくる日数ですので、短ければ短いほど良いということになります。

キャッシュフローの改善策は主に以下の3つの施策が考えられます。
・在庫削減
・売掛金回収の早期化
・買掛金の支払い延長

改善に取り組むと、以下のように数値が改善されてきます。

cash_kaizen

在庫削減に取り組み、在庫金額が減少しています。
売掛金の回収を早めたことで、売掛債権が減少しています。
支払いのサイクルを遅めることで、仕入債務が増加しています。
いずれの施策も会社に現金が残るようにキャッシュフローの改善を行っています。

この数値を基に、それぞれの回転日数を計算していきます。
・在庫回転日数
・売掛債権回転日数
・仕入債務回転日数

計算の結果、一日当たりの平均金額が減り、キャッシュフローが改善していることがわかります。

CCC

「商品を仕入れてから、販売をし、売上金を回収して、仕入れ先に支払うまで」のサイクルが、改善前は約100日かかっていたものが、改善後は約68日で出来るようになりました。
経営者にとっては人件費は費用の中でも一番高いものと言われていますので、このキャッシュ・コンバージョン・サイクルの改善は非常に大きなものになります。

改善内容の中では、在庫回転日数が大きく変化しています。これは自社内で完結できる取り組みだからです。売掛金の回収や、仕入れ代金の支払い日数を延ばすことなどは、他社との交渉になりますので、あまり無理なことは言えないと思います。その点在庫の改善は、自社だけでも取り組めるものですので、改善しやすいと言えます。

在庫管理を行いたくない経営者と担当者のそれぞれの背景

経営者にとって在庫処分を行いたくない背景があります。それはなぜかというと、「本来の売りたい金額に固執する」からです。
商品には仕入れた金額があり、仕入れにかかった運送費や人件費などがあります。
経費以下の金額で販売や在庫処分を行ってしまえば、処分損になってしまいます。
この目の前の処分損を嫌って問題を先送りにしてしまうことや、在庫処分の判断基準を持っていないためにずるずると先送りにしているケースもよくあります。

一方、業務担当者にとっても不都合な背景があります。それは、利益率の向上を狙って大量仕入れを行い、仕入れ原価を下げるという施策を行った場合に考えられます。一度に大量に仕入れることで、原価を下げることができます。
ですが、これが売れなくなったらどうでしょう。大量に仕入れたものがすべて売れる前提の元では、原価は低く、利益率は割高になりますが、在庫処分を行ってしまうと、利益率は下がってしまうのです。

これは現場に隠れた問題です。
在庫処分を行わなければ問題は発覚しないかもしれません。でもその期間も保管料や水道光熱費、保管にかかる人件費などがかかるのです。
それに、在庫を棚卸資産として持っていれば利益率は維持できますが、いつまでも現金化されないことになります。

経営者の施策によって、現場の担当者に生産単価の低減や、利益率の向上などを取り組めば、起こりやすい問題と言えます。
経営者は、売上げをあげる攻めの施策と共に、棚卸資産にも注目して在庫管理を行う必要があるのです。
在庫管理システムなどを活用して、在庫処分に関わる指標を決めておき、早めの対策が打てるようにしておかなければ、経費は膨張するということを覚えておきましょう。

(記:ミウラ)

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